人生で数字に触れない日々はない。朝起きて時計を確認しながら会社に向かい、
パソコンを立ち上げてメールチェック。そして、銀行口座をチェックする。そう、
私は経理マンである。二十代後半から経理に携わって三十数年経った。優秀かは
別として、会社の中で一番最初に業績がわかる部員である。当初は、部門別で計算し
て組み合わせそれを提出するだけだった。業績が黒字か赤字かは私が判断する立場
でなかったことは確かだった。ただし、今の立場でいるとそうはいかない。たまに
他の社員たちはなぜ業績が気にならないのか不思議に思うこともある。人それぞれ
の考え方ややり方があるが向いている方向は同じでなければ会社は潰れてしまうだ
ろう。会社の業績は数字で表され、プラスは黒字、マイナスは赤字。だか、プラス
といっても経費がプラスになれば利益はマイナス、経費がマイナスになれば利益は
プラスに反映となる。数字というものは面白いものであり、人生を左右するもので
もあると私は日々考えている。さあ、今日も数字とにらめっこだ。

金本　秀夫